全長1,800キロメートルの中国大運河は北方の政治中心と南方の経済中心を疎通(そつう)させており、是も(ぜがひても)また大運河の命運は常に漕運制度を伴って決定して生まれた。

漕とは、水で食料を運ぶことである。漕運制度は中国の重要な経済制度で、水路を利用して糧食を運送する一種の専業運輸であり、主に宮廷の消費、百官の俸禄(ほうろく)、軍隊の給与と民間食に調整された。

4月から5月は、江南地区の水稲(すいとう)を植える季節である。一目見渡せば、田圃(たんぼ)の海である。江南の大面積の水稲を植える歴史は、最も早くは隋頭時期に遡ることができる。隋唐以後、中国の経済の中心が南へ移り、政治と軍事の中心はかえって元のまま北方に残った。盛唐時期に発生した「安史の乱」は、北方の経済に敗滅的な打撃を与え、江淮の水利運送は、定番となった。中国の歴代皇帝から言えば、水稲を盛んに産出する江南地区は、疑いもなく最良の穀物税の徴収地であった。江南から収穫された食糧は、専門的な呼称〜漕糧(水運年貢【ねんぐ】)がある。

当時、漕糧の徴収は少しも誤ることのできない重要な仕事で、食糧にもし分量の不足あるいはカビや腐敗があれば、州県の職員は職を改められ、漕糧を徴集した監督の役人とともに、一階級を降格された。漕糧の徴収は、水運の第一歩であるが、農家と官職の共同の努力のもと、明細な保障制度の下、やっと質・量の保障を良くして完成した。

水運を順調にするために、明朝時期には済南市汶上県の大運河の「水脈」に南旺水利の中枢が建造された。図は中枢の遺蹟である。

明清両朝には、最南端の浙江省の漕糧(水運年貢)は、北京に運ばれるのに5か月の時間を要した、一度座礁すると、便は遥かに期限がなかった。では、当時どのように糧食を既定の期限内に北京に到達させたのであろうか。

明の隆慶6年から、明朝政府が統一した明確な漕運輸送の行程期限は、各省の穀物は毎年10月に倉庫を開き、11月に運送船隊は積み込を完成し、12月に北上を開始し、翌年2月に淮安を通過、3月には徐州を過ぎ山東に進入、4月には通州に到達、漕糧の北運の起源は、法令形式で確定してきた。

毎年清明節(花祭り、春の墓参)には、江蘇省の高郵陳総兵は一年中で最重要な日〜清明大祭を迎える。陳氏の子孫はこの日に、皆この家族の祠堂に戻る。祠堂には別の名〜「陳瑄治水記念館」がある。陳瑄は、明最初の漕運総兵官に任じられた。紀元1415年、明の成祖朱棣は陳瑄を漕運総兵官に任命し、漕運の総督をした。これ以後、陳瑄は運河の管理に力を致し、漕糧の運輸監督をして、水運の管理制度を設立し、会通河の底浚え(さらえ)を改め、各種の水利工事を建造し、大運河を全線開通させ、明清両朝600年の漕運の歴史を開いた。当時の故事は陳家に代々伝わっている。陳瑄が就任すると、明王朝は毎年の漕糧の運送量は500万石に達したが、今日の4.5億キログラム(45トン)に相当する。

陳瑄から始まった、漕運の総督を中心として、一系の膨大な系統の漕運管理体系を形成した。中央に戸部(戸籍財政)があり、地方に漕運総督が漕運政務事物を主管し、各省には年貢堂役所を設置し、各地の漕運を担当し、各州各県では専門機構を設置して漕糧を徴集する責任を負った。中央から地方迄、各クラスの官吏が職権に応じてそれぞれ責任を負担した。このように中央から地方に至る管理体系は、漕運を更に効的で筋道を加えたもの変化させた。

当然、当然年貢の北運作用を同時に発揮し、漕運は内地と外国貿易口とも疎通(そつう)し、輸出の磁器、茶葉、シルクはもちろん、輸入の真珠宝石、香料と綿毛製品まで、海港、シルクロードを輸送し、または内地に流通できた。そのため、また大運河は対外貿易港、揚州や、杭州等を形成した。唐宋時期に、これらの都市の工業、商業、文化は大変発達し、常に日本、高麗、イスラム帝国、ペルシャなどの地方の商人がここへ往来した。しかし、大運河が最も繁栄した時期には元明両時代であった。記録によると、明朝時期には、京杭大運河は1万隻以上の船を運航し、当時の運河は「商船が往復し、船が絶え間なく乗っていた」と記録されている。運河沿いには、茶芸文化、地方の戯曲、民間曲芸が集合し、古典の庭園、蔵書の楼閣、橋梁古塔等、そのほかの貴重な歴史的・文化的遺産が数多く集まりました。

北京通州胡各荘大営村は、遠近に有名な通州の埠頭で、ここは嘗て漕糧北運の終点であった。南方から大運河に沿って、断続的に運び込まれた漕糧は、長旅を経て、最後はここで卸され

る。

紀元1902年のある日、当地の民衆は通州埠頭で、もう漕運船の姿を見ることがなかった。この年に、清朝は法令を発布し、漕糧は全て貨幣で徴収したため、漕運は最終的に終止符を打った。1000年を超える漕運の上下は、時代の発展と現代交通方式に従う衝撃に伴い、大運河は南北を疎通する交通の主要である水運時代は最終的に終了した。漕運は再開されなかったが、運輸の大通路として、大運河はその掛け替えがなく盛んな生命力を証明している。

2008年、中国南部は50年ぶりの大雪に見舞われ、大雪により航空、鉄道、道路が閉鎖され、物資の供給が急上昇しました。人々が最も必要としている間、古い運河は再び都市のための食料やそのほかの物資を輸送する責任を負っています。今日、中国の改革と国家の若返りにより、中国の大運河に残された貴重な輸送の歴史的・文化的遺産が輝き始め、嘗ての漕運の河は既に華麗に変貌して、文化の河になった。

嘗て中国の重要な経済システムであり、大運河とと共に生きている。