美孚(モービル)洋行の経営の道

2022/04/28 20:55

芝罘(CHEFOO)は1861年に開港し、1867年に石油の輸入を開始し、主に煙台駐在の領事館と在留者の照明油に使用した。19世紀末に外国列強は次々と煙台で外国企業を開業し、石油、ジーゼル油、ガソリン、潤滑油、グリースなどの石油製品と、オイルランプと蝋燭など派生(はせい)品を販売した。

これらの外国企業中影響が多く経営が比較的長い石油会社はアメリカのモービル石油会社、イギリスのアジア会社とドイツのテキサコ石油会社であった。1920〜30年代、上述(じょうじゅつ)の三つの海外商社が煙台で設立した石油小売機構は膠東半島から、東は石島、西は掖県まで、南は海洋県に至り掖県、朱橋、沙河、龍口、黄県、蓬莱、煙台、福山、牟平威海衛、石島などの地に十数ヶ所の石油小売代理店を設立した。石油製品の販売範囲は上述の各地に限らず、山東と河南、及び東北の大連と朝鮮半島に放射状に広がった。

19世紀70年代(1870年代)の海外商社三社は組織機構は基本は同じで、亜細亜とテキサコ洋行に比べて、モービル洋行の従業員は更に多く、製品の質量も優れ、販売額数は大きかった。従って、モービル洋行は煙台の信用は最も良く、知名度も最高である。以下ではモービル洋行の成長過程と研究し、分配とその経営管理の独自性を学習します。

一、美孚洋行の発展歴史

中国と石油貿易を進行するの外国会社について言えば、1866年にアメリカニューヨーク州ロチャスターの真空機油公司(Vacuum Oil Company)とその創立者エベレスト(Hiram Bond Everest)とユーイング(Matthew Ewing)について言及する必要があります。真空機油公司は正立以来ずっと技術サービス、科学研究とエンジニアリング応用で、「顧客至上」の経営理念を堅持して、また後に成立したモービル石油会社が継承していよいよ光彩(こうさい)を放った。真空機油公司は創立4年目(1870年)に、ジョン・ロックフェラーはアメリカがオハイオ州に標準石油会社(Standard Oil Compay、中国では「美孚石油公司」あるいは「美孚洋行」と訳す)を創建し、また1879年に真空機油公司の株持ったので、これでモービル洋行の歴史は1866年に前進した。1882年8月に中国で最初の石油貿易を展開したニューヨークの標準石油会社(Standard Oil Company of New York、簡称は「SOCONY」が成立し、1923年までSOCONYは中国の灯油市場を独占した。

SOCONYは1899年に煙台海岸路32号と33路に美孚(モービル)洋行煙台事務所を設立し、1904年に開設した天津、青島、済南三ヶ所に開設した美孚洋行事務所より5年早かった。当初、煙台は中国のそのほかの地方の美孚洋行同様に、皆小売形式で中国庶民の喜んで使用する「桶裝鷹牌火油(英文はEagle Oil)図2」灯油と美孚灯(英文はMei Foo Lamp，図3)を販売したが。

煙台美孚洋行旧址

美孚洋行「鷹牌」火油桶

美孚洋行火油灯(図中右側灯罐上の広告語「成績最最優」は心の奥深くまで届ける)

石油ランプが中国市場での脚を地に付けるに従って石蝋、蝋燭、潤滑油、コールタール、アスファルト、灯油、ガソリン、ディーゼルなどの石油製品も、筋道通り順調に中国市場に参入し、ニューヨークスタンダードオイル会社は輝かしい販売業績を創造したばかりでなく、中国人民からモービル製品の普遍的な認識を獲得し、またニューヨークスタンダードオイル会社の不断の発展の壮大さを続け、それは現在世界上最大の非政府石油天然ガス生産商〜エクソンモバイル社(Exxon Mobil Corporarion 、略称ExxonMobil)に成長した。

ここに特に注意が必要な三点は、

(1)ニューヨークの標準(スタンダード)石油会社が開いた「美孚石油(Mobiloil)名称を初めて使用したのは遅くとも1899年で、1918年にアメリカでラテン語のMobilis を美孚石油の商標として登記し、1966年にまた美孚の商標Mobil という単語中の「o」を赤色に替えた。画中の右側の灯油缶のキャッチフレーズは成績優秀」で深く人心を捉まえた。

(2)DEVOE’Sブランドの灯油は性能がずば抜けていて、一番燃焼でき而も一筋の黒煙も吐き出さない。

(3)1917年、ニューヨークのスタンダードオイル会社は上海に石油工場を建て美孚灯(モービルランプ)を生産し、美孚灯の生産と運輸コストが代々的に削減され、従って石油ランプの総合的な使用コストは蝋燭の使用に比べまだ割合が良かった。

二、美孚洋行の経営の道

アメリカニューヨークの標準石油会社SOCONYが中国で貿易を展開した初めに、会社は中国人の耳に良く聞こえる「美孚(モービル)」を起用した。「美」は好ましくまた美しいの意味があり、またアメリカ(米国)を示すことものできる、「孚」には誠信と衆望の信服の意味がある。従って、「美孚」は「美しく好まれる」と理解でき、また「アメリカは好かれる」と理解できる。

19世紀末まで、億万の中国人が普遍的に使用していた証明方法は陶皿に菜種油または動物油に充分侵した木綿の灯芯に点火したが、灯火は豆粒のように微弱で、ほの暗く、風の影響を受け火炎が躍動してまぶしいばかりでなく、黒煙が四方に立ち込め、大変匂いが悪く、また人や周囲の環境を黒く燻り(くすぶる)、夜間の灯り(ともる)も読書人の読み書きには適していなかった。

中国伝統菜油灯

火油は初期は多く洋油と呼ばれ、中国南方人はまた水火とも称したが、現在では煤油とも称されている。清末、欧米など西方国家は夙に灯油と先進的な装備の防風雨のホヤを装備したカンテラを使用し、電灯も使用し、夜間や戸外でも正常に仕事や学習ができた。イギリスの亜細亜洋行、アメリカのテキサコ洋行と美孚洋行は皆欧米で使用している灯油と新型灯油ランプは中国の伝統的な菜種油とホヤなしの灯明皿に比べ多くの利点があると認識し、一端中国の一般人の生活に入ると、特に読書好きな人が夜に作業や学習ができることは、各石油会社に巨大な商機(ビジネスチャンス)をもたらすので、このため色々努力して灯油を中国市場に投入し、競争は大変熾烈(しれつ)であった。

灯油は初期は「モービル」と関連した石油製品であった。モービル洋行は早い者勝ちで、すぐに人を派遣して上海で商売をしていた「五金大王」の浙江寧波幫慈渓の人葉澄衷を見つけ、葉澄衷をモービル洋行の販売店代理として呼び寄せ、モービル洋行の灯油を経営させた。

通常の情況では、美孚(モービル)洋行の中国での代理手数料は20パーセントであったが、葉澄衷は美孚洋行に手数25パーセントを要求したが、美孚洋行は意外にも喜んで受け入れた。

葉澄衷は結局どのようにして美孚洋行に彼の条件を受け入れさせたのか。もともと英語のできた葉澄衷は、美孚洋行のために3ヶ条の営業販売の「錦囊妙計(緊急対策)」を設計し、美孚洋行は葉澄衷の考え方が十分可能であり、大変理に叶っていると考えた。

第一の妙計は「美孚灯」の設計である。葉澄衷は美孚洋行に一種の新石油灯の生産をさせ、下から上へ一般に三部分に分かれており、即ちオイルタンク(時に躰座を加える)、口金と、ホヤである。この種の石油灯はもし口金はまだしもその下のオイルタンクが、灯油を保管するために使用し、多くは鉄枠(わく)やガラスで円形の鉢状で、形や図案の変化は多様である。ランプポットの円形上には開口部と灯芯帯と口金が連続し、口金の横には螺旋ねじがあり、口金内の芯の伸出長さを調節するのに用いる。灯芯帯の伸出を長くすると、灯は明るく、そうでなければ灯は暗くなる。口金に固定されているのはガラスのホヤである。ガラスのホヤは大多数が瓢箪型であり、両端は円形をしており、一端の端は口金上にあり、一端は排煙口である。空気熱道の力学原理によれば、ガラス製のホヤは灯油芯の燃焼により発生する油煙を排除するだけでなく、また防風作用を果たして、室外の風天のある天気でも灯芯は正常に燃焼し、煙は安定してちらつかない。この種の美孚洋行が最初の推奨した美孚油灯は油の節約、美観、使い勝手の良さとコストパフォーマンスの高さから、民間が喜んで使用し広く賞賛した今日でも忘れられない有名ブランド〜美孚灯(モービルランプ)である。

高級のSOCONY 商標美孚行ランプ

美孚洋行は、火油灯の製造・販売に加え、それに老牌、虎牌、鷹牌繊細な蝋燭ランプの製造も行っていました。これは米国製竹製蝋燭ポール付きモービルランプ。

灯したモービルのタイガーの蝋燭と燭台

第二の妙案は灯油を小型包装とし灯油ランプを加えて送った。モービルランプのガラスのホヤは大変薄くな、注意しないとぶつけて割れやすい。そのため葉澄衷はニューヨークのスタンダード石油会社に民間で使用している灯油を小型包装に変更して販売し、もし一箱灯油を買えば、モービルランプを一つ贈呈した。小型包装の灯油一缶は15キログラムで、一般の家で使用する一年分に十分足りた。同時に、葉澄衷は、壊れたガラスのホヤを無料で交換するために店に行くことができることを承諾した。このような優れたサービスを通じて、モービルランプは大変早く長江南北に広まった。「モービル」はまるで各種ブランドの灯油ランプの代名詞となり、各個家を知れ渡った。モービル洋行は灯油ランプの生産と販売以外にも、旧ブランドのタイガーとイーグルブランドの蝋燭とセットの精緻な燭台を生産した。

鉄火石(英文DEVOE’S)火油木箱

第三の妙案は用済みの灯油缶で塵取りに作り替えることである。欧米諸国では、灯油缶を使い切ると基本的に廃棄または回収した。中国では、民間のはそのようには考えず、台風もったいなく考えていたので、用済の灯油缶を二つに切りブリキの塵取りを作った。

葉澄衷は自身で家や店舗で使用している籐製の塵取りの寸法を測定し、二つに切って塵取り組むを作るブリキのオイル缶を設定し、すぐさまニューヨークのスタンダード石油会社に提供した。すぐに、切り開いて二つに塵取りを作ることのできる灯油缶は中国で広範な一般家庭で喜ばれるところとなり、灯油の消費は大変増加した。

葉澄衷のこの三つの錦の妙案は灯油をモービル洋行を中国最大の輸入貨物となり、またモービル洋行がこの石油の細分市場を牛じることができた。輝かしい業績は葉澄衷を名実伴う「灯油のボス)とし、順調にモービル洋行の「洋油取締役」に上らせた。

モービル洋行の企業文化と広告効果

モービル洋行SOCONYは誕生の日から技術サービスを重視し、科学研究と工学応用は、経営理念上に「顧客至上」を持つことを原則とし、投資戦略上には「謹慎至上」の原則をとし、これまで同様穏やかな発展の道を持続して進み、充分賢明な葉澄衷三通の錦の妙案以外にも、企業文化の建設と広告宣伝方面に入念に画策を建て、大量に人力、物資力と財力を投入した。

モービル洋行SOCONYは市場で販売と業務を同時にしっかりとやり、最高水準の職業道徳に従い、また企業文化の建設、環境保護と社会公益事業を重視し、優秀な企業市民となることを努力した。

SOCONYは1924年に上海で中国極東地区の従業員のために『美孚(モービル)盾(Mei Foo Shield 、月刊)』を出版し、国内・外洋のモービルの従業員の生活、旅行と作業状況を記事して、企業がいかに「人を根本とする」原則を堅持し、健康、教育、環境保護及び芸術方面で従業員と社会のために努力を尽くした。

モービル洋行の広告紙の品質が優れていたため、紙は厚く光沢があり、勤勉な膠東の民衆はモービル洋行の広告紙で日常生活用のボール紙や紙箱を工作し、現代社会の提唱する低炭素生活を充分に具現(ぐげん)した。「美孚(モービル)」、美しく信服する人望、この力強く美しい名は往時のモービル洋行(ニューヨーク石油会社SOCONY)の経営理念を徹底して詳細に説明しており、そして今日世界的に有名な企業に形容されるエリクソンモービル社も自益に名の帰るものである。