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彼は大唐の名将をも薙ぎ倒す(なぎたおす)稀代の人物であり、四代の皇帝は手をこまねいていたが、最後は女帝の足下に倒れた
唐王朝が最も隆盛だった時、周辺にある多くの国家は和親を望み、その為に「縁戚関係(妾上加妾)」となることを希望していた。。もちろん、この時の和親は漢王朝と匈奴の和親と比べると同じようなものではあるが、目的や性質は異なる。
結局のところ、唐王朝はその地で纏まった(まとまる)実力があり、周辺の国家が唐王朝に戦いを挑も(いどむ)うと考える事は凡そ現実的ではなかったのだ。挙兵する前に、例え戦いに勝ったとしてもどれほど消耗するのか？と真剣に考えなければならない。
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しかし、唐の高宗時代に吐蕃(チベット)の政権に稀代の人物が現れたばかりでなく大唐の名将を打ち負かし、唐王朝の四代皇帝が手をこまねいていたことを知る人は少ない。最後は女帝の武則天を頼り、終に彼は恨みを呑み敗北した。
この人物は即ち吐蕃の宰相禄東賛(噶尔·東賛「ガル・トンツェンユルスン」)の息子の論欽陵（ガル・ティンリツェンジュ)であり、また唐王朝の歴史上で最も大きく国家全体を脅かした外来政権の首領でもある。
両国の発展
事情はやはり文成皇女の和親工作(降嫁こうか)から始めなければならず、太宗李世民の在位時期には、吐蕃政権と唐王朝はもともと何ら連携がなく、ただ先見卓識の(吐蕃王）松贊干布（ソンツェン·ガンポ)は、吐蕃が発展しようとすれば、唐王朝の支持と支援が必要である事を知っていた。
この為、吐蕃は何度も家臣を派遣して大唐に至らせ、、唐太宗李世民に和親の請求を提出した。聞いたところでは吐蕃の所在地区は大変遥か離れており、李世民は単に拒否しました。
最後まで、松賛干布王(ソンツェンガンポ王)は使節の禄東賛(ガール・トンツェンユルスン)を大唐に向かわせて、これ以降、吐蕃は大唐に服属して、大唐と共に友好を結ぶという、色々な良いことを言ったので、やっと唐太宗李世民に応答させたのである。
これより、文成皇女は吐蕃に降嫁し、両国の繋がりはますます頻繁になっています。そして、唐王朝の助けによって、吐蕃の発展も日に日に向上したので、吐蕃周辺の国家が遠く切り離されるのに、多くの時間はかからなかった。
文成皇女と吐蕃王ソンツェンガンポの婚礼
このような大口の契約を取り交わすと、ソンツェンガンポ王がガル・トンツェンユルスン(禄東賛に対する満足度は推して知るべしである。帰国後間もなく、ずっと出世し、最終的には吐蕃丞相の職位になり、王の元で、全ての人の上に立った。
彼の息子がガル・ティンリツェンジュ(論欽陵)で、これ(禄東賛の地位)を借りて朝廷に入り、順調に一定の権力を得た。だが父子両人の性格は完全に同様ではなく、父親のガル・トンツェンユルスン(禄東賛)は慎重で、自己の安全を計ったが、息子のガル・ティンリツェンジュ(論欽陵）は却ってずっと唐朝に屈服することに甘んじてはいなかった。
大唐の区域
終にソンツェンガンポ王と文成皇女が相次いて世を去ると、ガル・ティンリツェンジュ(論欽陵)は吐蕃王の摂政となり始めた。この時点で彼は、唐朝に強行に出ようとしたが、根本的には現実的ではなかったが、一戦交えれば、周辺の国家は必ず「天可汗（唐朝)」に味方するはずであった。
そこで、ガル・ティンリツェンジュ(論欽陵)はまず周辺国家から手を下すことを決めたが、関係する戦いの知らせが唐の朝廷に伝達しても、唐朝ではかえって心に留めず、逆に釣り桟橋に落ち着いて(=沈着対処)、ガル・ティンリツェンジュ(論欽陵)を打倒するタイミングを逃した。
女皇出手
このように、ガル・ティンリツェンジュ(論欽陵)の実力が鏡台に発達すると、再び兵力を組織して唐朝に向け進攻を発動した。唐の高宗李治は猛将薛仁貴を派遣して戦争を迎えたが、却って待ち伏せに打たれて大敗して帰り、多くの名将も相手に脅え(おびえる)させられた。
怒りに任せて、高宗李治は薛仁貴を罷免(ひめん)したが、しばらく出征する大将を見つけられなかった。唐朝は辺境の防衛線を固めるしかなく、更なる大損失が出ないようにするしかなかった。
高宗が亡くなると、後続して即位した唐の中宗李顕、睿宗李旦は、出兵して吐蕃を征服しようと考えたが、いずれもにこの問題を解決できず、武力を以て問題を解決しようと考えていた時に、女皇武則天は別の方法〜内部から手を入れることを考え付いた。
敵を瓦解する方法を考え、その後また一撃する、この計画がもし本当に実現すれば、極端に一兵卒(へいそつ)も費やさず吐蕃を討ち滅ぼすことができるであろう。
武則天の歴史画像
政治方面では、武則天は、一個の家臣が敢えて他国家と交流する時に敢えてこのように尊大になるのは、「皇帝」のメンツをどこにやっているのかということをはっきり知っていた。ガル・ティンリツェンジュ(論欽陵)が大唐に対してこのように尊大に振る舞うのは、必ず国内で巨大な権勢を掌握しているのであろう。
しかしこの種の威厳は、また必ず吐蕃皇帝の利益をも侵犯(しんぱん)しているのである。衝突や、衝突の可能性があれば、自分でも合理的に利用できるようになる。
果たして、武則天が想像していたように、吐蕃の皇帝(サンホ)は嘗て幼く無知で、ガル・ティンリツェンジュ(論欽陵 補佐)の行為の危険性を意識していなかった。年が大きくなると、ガル・ティンリツェンジュ(論欽陵)に対して次第に不満が募ってきた。
この為、武則天は使者を手配し、大唐は無条件に吐蕃皇帝(さんほ)を援助し、本来所有していた権力を奪回することが、両国間の平和と発展のためとなることを伝えた。このようにガル・ティンリツェンジュ(論欽陵)が外でのさばる間に、「後宮が火事」となった。
数年続いた吐蕃の政変は、唐王朝が密かに関与で吐蕃の皇帝(サンホ)の勝利で終わりを告げ、ガル・ティンリツェンジュは殺害に追われる途中で自らも復讐の希望もなくなり自殺を選択した。
更に重要なことは、吐蕃の内部摩擦も国家全体の発展を途絶えさせ、唐朝に対して何ら脅威を与える方法が亡くなった。嘗て唐朝の天子と、名将を幾久しく困惑させた問題は、女帝武則天により巧妙(こうみょう)な解決をした。
*妾上加妾: 親類同士が結婚し、更に親戚関係を深めること。
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