1907年、袁世凱は大洋の彼方からの手紙を受け取ったが、発信人の名は、つまり当時のアメリカ大統領セオドア・ルーズベルトで、彼を大変驚かせた。

ルーズベルトは手紙の中で、袁世凱に一名の女医を幫助に提供してくれることを希望した。

手紙を見て、袁世凱は、手紙に書かれているこの女医を大変尊敬していたので、喜んで同意した。

この、中国最初の女性留学生で、また最初の女性医学博士の名は金韵梅である。

1887年、金韵梅は第一位の優秀な成績を取得し、米国ニューヨーク医学大学附属女子医科を卒業し、多くの職業機構が彼女に(優勝者のオリーブの枝を捧げるように)声をかけた。

しかし、金韵梅はアメリカの多くの病院と医療機構の要請を拒絶し、中国へ帰ることを決定した。

金韵梅は2歳の時に父母を失ったので、マカーティー夫妻の養子となり、養父母の全力の面倒の元で成長した。

娘が中国に帰る決心を聞いて、養父母は老婆心で口を酸っぱくして彼女を引き留めたが、彼女はキッパリと言った:

「お母さまがご存知のように、私の父母は30歳に満たず亡くなりましたが。

もし中国内の医療条件がもう少し良ければ、彼らもこんなに早く亡くなることはなかったと、いつも思うのです。

私が現在医師となったからには、絶対に帰国して、私の力量を尽くして中国人民を助けたいのです。」

中国国内に帰った金韵梅は廈門、成都、広東、上海を転々として、医療を行い、彼女は人として穏やかで、医術は優秀で、多くの人を治癒し、診察を求める人はひっきりなしであった。

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金韵梅は涙をぼろぼろ流しながら友人に語ったことがある:

「私は、多くの病人が、明らかに全快できるのに、薬品が欠乏するために、死を待つしかないことは、大変苦しく思います。」

何度も、彼女は多くの貧苦な民衆が治療所の前をうろうろしているのを見かけると、自腹(じばら)で、アメリカから医療器材や薬品を取り寄せて、率先して彼らの為に治療をしたので、多くの人の敬愛を受けた。

1907年、名声の鳴り渡った、袁世凱の養成で天津に至り、北洋女医病院の院長となった。

院長に就任後、金韵梅は病院の体制を整備させて、多くの患者が評判を聞きつけて殺到した。

瀕死の人の中には、金韵梅の丁寧な治療で健康を取り戻した人もおり、北洋女医病院も国内の一流病院になった。

国情を深く理解するにつれて、金韵梅はもう一つの問題について考えるようになった。

如何により多くの人が治療を受けられるようになるか、如何に妊娠産婦と乳幼児の死亡率を下げられるか。

そこで、金韵梅は病院の規模拡大、大胆に人材を採用する、更には英国の病院で奉職していた女医の衛淑貞を招聘するなど、多くの方法を試してみた。

「まだまだ不十分、なぜ中国の女医はどうしてこんなに少ないのかしら。ほとんどの女性患者は男性医師を受け入れようとしないのに」。

中国国内の婦人科難題に直面して解決しない限りは、金韵梅はいつもため息つき、このことで夜もよく眠れなかった。

考えに考えた末、金韵梅は女性看護師を専門に養成する学校を開設することを思いついた。

でも学校創設には莫大な資金が必要だったが。

彼女にはそんなお金を捻出することは不可能で、袁世凱側には、彼女も説得できる自信がもなく、果たしてどうしたら良いのであろうか。。

突然、頭の中にある考えが閃き(ひらめく)、すぐにペンを取って、試しにルーズベルトに支援を求める手紙を認めた。

そして、冒頭の一幕があった。

1908年、中国最初の公立看護学校〜北洋女医学堂が天津で正式に成立した。

女医学堂が成立後、金韵梅は、品行方正、辛苦堅実、学習能力の高さの、厳格な募集採用の条件を設置した。

彼女が募集した学生は、大多数が皆貧しい女子で、採用した30名の女子の中で、20名あまりが順調に卒業した。

卒業後、この女子たちは様々な病院に就職し、妊娠と乳児の死亡率を大幅に低下させ、中国でも近代的意味での中国人看護婦を誕生させた。

しかし、「善因善果」という言葉は必ずしも成立しない。

幼くして父母を両方亡くした金韵梅は、54歳の時にまた不幸に遭遇し、彼女の唯一の子供が戦死した。

再び最愛の家族を亡くして、金韵梅の心中の苦痛は推して知るべしである。

自身の注意力を苦痛から移転するために彼女は全精力を仕事に投入し、大変な時には、一日に自分へ6度の手術を手配した。

これに限らず、彼女は各種の事前運動への参加も堅持し、国内の各大学へ奔走し、学校運営の資金を募集し、また燕京大学の、理解学生の実験を改善に用いる条件で、私費2万元を寄付した。

1934年金韵梅は病気で亡くなり、享年70歳であった。臨終の前に全貯蓄(ちょちく)を学校に寄付した。

彼女の手術で難病が治り、母親になるのに成功した女性患者たちが、すぐに続々と全国各地から弔問(ちょうもん)に駆けつけ、葬儀場外では「哭き声で天が震え」た。

金韵梅の訃報はすぐさま世界中に伝わ、『ニューヨーク・タイムズ』紙も彼女の死後訃報を掲載し、彼女を「今世界で最も傑出した女性の一人」と称賛した。

あの激動の時代に、金韵梅は戦争の火の粉が飛び交う(とびかう)中で、考えることは自分の順位ではなく、どのように国を幸福にするかという人であった。