この本は、我々が現在も使用している1,900年前の「字典」である


読書には字を知る必要があり、字典は字を知るための「必需品」であった。今日は世界読書デーであり、中国最初の字典『説文解字』を知るための三つの知識紹介する。
中国最初の字典は漢字の文字学に対して三つの意義がある
『説文解字』は中国最初の字典である。それは文字を調べる実用的功能があるだけでなく、中国の文字学発展の歴史上で、連携してきた歴史の一里塚であり、要約すれば、漢字学に対して三つの作用がある。
漢字の字形を系統的に分析し、漢字の字源を検証している
漢字の起源は古く、その発展の歴史は二段階に分けることができる。第一段階は古文字の段階である。伝説では黄帝の時代に初めて蒼頡が文字を創作し、西周時代の太史(記録官長)の籀(ちゅう)が文字を発展させ、「籀文」つまり大篆を創出した。秦が六国を統一すると、秦の丞相李斯が「書は同文」を上奏した、大篆を基本として繁雑なものを簡略にして、小篆を創造した。

漢時代には「横・縦・撇(左はらい)・点・捺(右はらい)」の筆法が出現して、文字は「画(描く)」から「写(書くこと)」への転換が始まった。漢字の発達しては第二段階〜現在の文字の段階に入った。字形は規範化され、書き方も、次第に小篆に変わって、便利な隷書が主流の字体となった。しかし隷書は多くの造字の当初の理屈を抹消してしまった。漢字を誤った解釈の現象を生み出した。例えば「寒」という字は、隷書は更に簡潔となったが、象形の意味は全く弱ってしまった。


『説文解字』に、「寒は、凍えるなり。人に従い、宀(ベン、大屋根)の下に在るものは、茻(モウ、多草)と薦(セン、荐、むしろ)で囲い、下に仌(ピン、古音は兵に同じ、水が冷えて凝結した固体)である。」
字形は「宀、人、茻()、仌」の会意で、凍えるような天気で、人が屋内の草藁に縮こまっても、骨身に染みる寒さを感じること。
世間の人に先人の造字の深い意味の、「大道を匡正し、邦国を治安する」ことを明らかにするために、後漢の経済学者許慎は『説文解字』の編纂を決心し、小篆を見出しとして、隷書で解読を進め、漢字の字形を系統的に分析し、字源を考究し、表意文字の真実の面容を明らかにした。
最初に漢字の六大要素(六書)を儲けた
現在「文字」は二文字で一緒に使用されるが、許慎の考えでは「文」と「字」の区別があった。「文」は古代人が初めて作り、事物や形象を客観的に摸写した象形文字である。社会の発展に従い、人々が接触者た事物が次第に増えて来て、「文」だけでは満足に伝えられない要求は、人々が「文」を意符や声符として繁衍増加させ「字」を形成した。簡単に言えば、単体が「文」、合体が「字」である。「文」は分解できないので「説文」、字は解析できるので「解字」であり、これがタイトルの『説文解字』の由来でもある。

これに基づいて、許慎は、漢字の六書理論を創造し、文字の字体を説明し、例の文字を与える。今まで漢字学研究に従い、後世の造字の六大の根拠である。

指事:文字の線または筆画で、物体の外形の特徴を伝え、具体的に縁取りしている。
形声:「形」と「声」の二部構成で、形は意味に関係し、声は発音に関係する。
会意:二個あるいは二個以上の字で、事柄によって組み合わせ、新しい意味を表示する方法である。
転注:意味が相当あるいは相似して文字の解釈を互換するもの。
仮借:形が近く、音が同じの既にある文字を借用して、異なる意味の言葉を表示するもの。
始めに部首の配列法が作られ、現在まで沿用されている
現在の常用漢字は4,000字に満ちないが、『説文解字』は9,353字の標準篆書、1,163個の古字、籀文などの重文(重雑文字)を収録し、許慎はそれらを540部に区分した。文字の形体と偏旁構造に従って配列し、各文字に字義(文字の意味)を解釈し、形態構造を分析し、読音を明らかにし、文字の形、音、意味をはっきり明確にした。膨大で厳密、詳細な漢字の解釈体系を構築した。此処に分散した漢字を、結びつけて我々の前に表し、以後の字典辞書の編纂の典型とした。

『説文解字』は古代人が文字の意味の研究を助ける手本の作品である
『説文解字』は字形を分析し、字義を開設し、読み音を識別した、千年の流伝は、古代人が字義を研究する典型の作である。また秦代以前の文字の研究には欠かす事のできない梯子であり橋渡しで、歴代の文明大家の高い評価を持っている。

許慎の著した『説文解字』の原本は伝写を繰り返し、原型は失われてしまった。現在の写本は宋時代の徐鉉が校正したもので、全三十巻である。国家図書館所蔵の古典籍(善本を包括する)には111部の異種版本の『説文解字』の底本は宋代の刻本である。これは清の嘉慶12年の額勒本(エルブ)の取り仕切りで再刊が成った。この版本は残されていなかった宋時代の避諱字(王の名を避ける)は、各種の版本を参考に改修が進められた。彫刻は秀逸で、版面(レイアウト)は明快、歴代の世人に評価された。国家図書館は電子版本を発表しており、オンラインで漢字の奥義を全文購読できる。古代文字を読み解く橋渡し(『説文解字』)は、現代人に李斯の漢字の意味を更に理解させる。『説文解字』の2,000年近くの歴史は、今なお重要な使用価値がある。例えば「除」字は現在の一般的な意味では「除法」の「除」の意味を解釈することは大変難しいが、その答えは『説文解字』の中に在る。

『説文解字』に、「除は、殿陛なり」。つまり「除」の本義は宮殿前の階段の事。格段の高さは等しく、これから数学の「除法(割り算、当分に分ける)」の意味が導き出された。そこで、「除夕(除夜)は新年と旧年の交替する夜の事なのである(年を等しく区切るという事)。
内容では『説文解字』は天地、鬼神、山川、草木、鳥獣、雑貨、奇怪、礼儀等多方面を包括している。「世間の人事に、載せ畢(つく)さざるはなし(何でも載っている)」古文献を最も多く残す百科全書であり、古文献を解読する「鍵」でもある。
このため、今日まで、我々は『説文解字』を通して、新発見の数千年前の戦国時代の竹簡、青銅器の銘文や甲骨文などの古文字を、読み取り解読することができた。
世界読書デーの設立の趣旨は、多くの人々に読書と著作を推進し、文字の意味に対する共通認識は、人類の思想伝達の基礎である。我々は書籍を紐解き、漢字の一字一画を辿りながら、中国文明の深遠な蓄積を理解しよう。


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