漢字初の解釈: 規・矩(きく)
「規」は『説文解字』に、規は法度有るなり。これは法則、規則(がある)の意味である。字形では「夫」と「見」の会意文字で、夫は成年男子を指し、見は見解を指している。古代人は男尊女卑であり、成年男子の見解は法度(おきて)に合致して基準とすべきものと考えられていた。円を描く工具(コンパス)の意味に発展している。『玉篇』に、「規は、正円の器なり」と説明している。

「矩」は『玉篇』に「円は規と曰く、方は矩と曰く」と説明している。方形あるいは直角を描く曲尺を指す。字形上、金文 





規矩は、円形方形を構成する工具であり、誰もが知っていることは『孟子・離婁上』に「規矩を以てせずんば方円を為すに能わず」も「形而上」が付着している。成就できなければ、人も器として成り立たないことを喩えている。しかし仔細に考えれば、規矩は基準やマナーであっても、たいてい「規規矩矩」ときったりとした条文化された基準やマナーではない。国には国法があり、地方には地方規約があり、民間には民族があり、家庭には家規があり、たとえあなた一個人であっても、あなた自身の規矩を定めることができる。『紅楼夢』のニ婆婆が「儻(も)し或いは親友の知道すれば、豈に咱們這樣(じもんかよう)の人家を笑話せず、王法に連個する規矩も都(すべ)て有ること沒(な)し。=親友が知ったら、どうして私達のようなルールのないことを笑わないことがあるだろうか」と、(規矩=ルールの)多いことよりもないことを心配している。
ここでの規矩はそこでの規矩であり、上の規矩は下の規矩であり、規矩を見て規矩に隠れ⋯⋯、人間は一個一個入れ子になった細長い「輪」や「箱」の中で生きているようなもので、束縛や型にはめられて不自由なことが大人なのである。
このブログへのコメントはmuragonユーザー限定です。