唐代には、とても柔らかくて可愛らしい「ウサ標」がある

マウスはよく知られていますが、唐代に「ウサ標」があったことはご存じでしょうか?一緒に唐代の滑石製のウサギを見てみましょう。
1、千年前のワイヤレス「ウサ標」
唐代の「ウサ標」は、たった一枚の画像を見るだけで、その疑念を拭い去ることができます。

ウサギは打つ伏せになり、背中を丸めて、まるで丸い卵のような形に身を縮めています。このような形状は、人間工学に適しており、使用する人の手首を自然に伸ばした状態に保ち、手の疲れを効果的に和らげてくれます。

両耳は頭の後にぴったりと伏せられており、まるで外の音に注意深く耳を傾けているかのようです。しかし、「ウサ標」を使用する人の目には、それは正に軽やかなボタンのように映ります。

左クリック、右クリック、左タブルクリック、右ダブルクリック⋯⋯。

この滑石ウサギは、唐代においては珍しい円彫作品です。円彫とは、玉器の彫刻技法の一種で、「立体彫刻」や「立体造形」とも呼ばれ、全方向から鑑賞できる三次元の彫刻です。この技法は加工が難しく、大きめの玉石を必要とするため、複雑で高度な芸術形式とされています。そのため、歴代を通じても円彫の玉器作品は多くはありません。
また、職人は陰線刻法を用いて、ウサギの脚、耳の毛並み、脚の関節を彫り出し、静かな姿の中に動きを感じさせる固地を巧みに表現しています。

2、滑石とはどのような石か?粉筆よりも柔らかい石です。
「滑石兎(かっせきと)」とは、その名の通り、滑石を材料として作られたものです。滑石は、現在知られている中で最も柔らかい鉱物であり、チョーク(粉筆)よりも柔らかい性質を持っています。
1822年、ドイツの地質学者が10種類の鉱物を選び、それぞれを硬度の基準として「モース硬度」と呼ばれる尺度を定めました。その内、最も柔らかいものが滑石でした。
中国の古代の人々は、既に滑石をよく知り、利用していました。考古学の発掘資料によると、遅くとも新石器時代の初期には、人々は陶器を作る際に滑石粉を加えることで、陶器の表面を滑らかにし、ざらつきを抑え、かつ丈夫で長持ちするようにしていたことがわかっています。
滑石は彫刻を施しても、その柔らかい特性を保ちます。そのため、この滑石兎は立体的で、しっかりとした見た目でありながらも、実際には非常に脆(もろ)く、簡単に壊れてしまいます。
3、この「兎兎(トゥートゥー)はマウスではなく、「鎮と言う用途のものです。
この「柔らかそうな」滑石兎には、どのような用途があるのでしょうか?この滑石製品は実用器であり、敷物を押さえるための「席鎮」または、紙を押さえるための「鎮紙」として使われていたと考えられます。

文鎮は物を押さえるための道具であり、非常に古い歴史を持っています。魏晋以前、古代の人々は地面に敷いた敷物の上に座って生活していました。王族や貴族の家には、背の低い寝台があり、その上にも敷物が敷かれていました。敷物の四隅には「鎮」を置いて、ずれないように抑えていたのです。南北朝時代以降、文人や書画家の間では「鎮紙(ちんし)」が流行しました。

これは、小さな青銅器や玉器などを紙の上に置き、紙の角が反ったりシワが寄ったりするのを防ぎ、毛筆での書写や絵画をしやすくするための道具でした。
ウサギは吉祥の象徴であり、古くから「瑞獣(ずいじゅう)」として親しまれてきました。こんな愛しい唐代のウサギであれば、誰もが心を奪われてしまうことでしょう。


「瑞獣」とは:中国の伝統文化において「吉兆(=めでたい前触れ)」を象徴する想像上の動物や、特別に縁起が良いとされる実在の動物のことを指します。
「瑞」は「めでたい兆し」、「獣」は「けもの=動物」という意味です。
例えば、「麒麟」、「鳳凰」「龍」「亀」などの架空の動物が有名ですが、兎や鹿などの実在の動物も瑞獣とされることがあります。
天子の徳が高まった時や、国家が平和で繁栄している時に現れるとされます。
例:
麒麟:仁徳の象徴。聖人の出現を告げる瑞獣。
鳳凰:天下泰平をもたらす鳥。
龍:皇帝の権威の象徴。
白虎:西方の守護神とされる霊獣。
ウサギ:月との関連から長寿や繁栄の象徴とされることがある。
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