汪兆銘の本貫は浙江紹興であるが、広東三水で出生した。汪兆銘の子供時代は、一つの地方に留まることなく、広東三水で出生したと言っても、英徳や曲江など様々な地方で成長した。

なぜなのか？

彼の父親は汪琡であったので、「御意見番」、つまり県令の幕僚(補佐役)で、概ね今日の県委員会書記秘書であり、この種の職業には特徴があった。「御意見番は県知事に伴うもので、例えば陳知事が韶関の県知事であった頃、汪兆銘の父親は秘書であり、その後、陳知事が清遠に知事としてきた時、汪兆銘の父親は秘書であり、いつも一緒についていたが、つまりは県知事の慣れ親しんだ、自分の仲間であって、交換することがなかった。この種の状況は当時「遊幕」と呼ばれ、つまり、四方に遊行する幕僚を、「遊幕(幕下として付随する)と呼んだのである。

もちろん、その逆もある。陳県知事は汪秘書が好きではなく、彼は省内に、汪秘書を韶関県庁から移して、清遠県庁へ移動したと、報告に行き、この種の情況もあった。これは何のためなのか、汪兆銘は仏山で生まれたといっても、韶関や清遠など様々な地方で幼少期を過ごしたので、あなたが汪兆銘に、何処が彼の故郷であるかと訊ねても、実際は彼もはっきり答えられなかったのは、彼らの実際には「故郷」という固定観念がないという、汪家のこの種の生き方が決定してる。

当然、もし本当の本貫という事であれば、汪兆銘の祖籍は紹興であるが、しかし、汪兆銘は紹興で生活したこともなく、おそらく彼も紹興人には当たらなかった。

汪兆銘は18歳の時、考察で秀才となり、番禺県試験で一位、広州府の試験でも一位を取り、その年、広州政府は日本へ留学生を派遣したが、汪兆銘は応募して、日本留学の派遣が採用された。

翌年、つまり1905年、汪兆銘は22歳で、革命党の人に紹介を経て、汪兆銘は東京で、孫文と面会したが、汪兆銘が反清革命に参加したのはこの時に始まった。

それでは、汪兆銘はどのように革命党の人の中で頭角を現したのであろうか。キーポイントの一つは、汪兆銘は文章に長じたことである。

文才に長けたので、汪兆銘は当時の同盟会の機関紙『民報』の編集と主執筆者と担当したが、知っておきたいのは、汪兆銘の本名は「汪兆銘」であったが、この時から、汪兆銘は「精衛」(の名)を使って大量の革命を鼓収する文章を発表した。

どうして「汪兆銘」本名の名義を使用せずに革命文章を発表しなかったのであろうか。

答えは、汪兆銘本人は清国から日本はへ派遣された留学生で、汪兆銘の兄汪兆鏞は、当時広東広西両広総督府の公務員であり、階級も低くなく、汪兆銘は兄を巻き込みなくなかったので、それで、「精衛」をペンネームに使ったのだが、「汪精衛」のこの名は、つまりこのように始まった。

しかし、当時日本に留学した広東人は汪精衛一人ではなく、時間が経つと、火を紙で包むように隠しておけず、日本に留学した広東籍の留学生が消息を広州に持ち帰ったものがあり、汪兆銘は日本で、革命党に参加し、革命党の新聞『民報』の編集で、かついつも「精衛」をペンネームとして、大量の革命を鼓吃する文章を発表していることを伝えた。その知らせは、広州の彼の兄貴の汪兆鏞の耳にも届いた。

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汪兆鏞は弟が革命党に参加している知らせに対して、雷に打たれたようなショックを受け、彼は両広総督府の上級公務員として、当然汪兆銘の行為は甚だしい罪悪であったので、彼は日本へ沢山の手紙を書いて、弟汪兆銘に悔い改めることを勧めた。

汪兆銘の脳内は革命に満ちていて、当然兄貴の勧めを聞かなかったので、したがって、彼は汪兆鏞に「家庭を自覚している」と返信した。意味は、家族に類を及ば差ない為に、我汪兆銘はあなたという兄と家族の人々と、全く関係を断つということである。

兄の汪兆鏞は汪兆銘の返信を受け取り、おとうとのこのような「気の迷い」と「意固地的」なことを見て、彼も新聞に、弟汪兆銘を「勘当する」と公告し、清朝の政府機関に報告登録したが、意味するところは、弟汪兆銘とのけじめをつけて、巻き添えをくわらないためである。

当時革命党の人はあんなに多かったが、汪兆銘はどのように孫文先生の両腕となることができたのか。先程話した『民報』主編も一因であるが、それだけが原因ではなく、ひいては最重要な原因があった。汪兆銘はずっと革命党の宣伝指導者であり、講演が得意で、煽動力があり、更に、組織能力も強く、東南アジア各地に100余りの同盟会支部を開設し、多くは汪兆銘が一手に組織したもので、したがって、革命党に対して言えば、汪兆銘は人を集め金集めの名人であり、従って我々は、汪兆銘は満族の清政府の打倒する事件に、功労があり、革命党での地位は、本当に出来ないものであったと、言うことができるであろうが、ただ、彼が後に裏切り者となり、誤った道を進んだのは、後の話である。

⋯⋯

それは1910年であるが、汪兆銘はどうして北京に駆けつけ摂政王(醇親王載灃)を暗殺しようとしたのか。

この事件は、革命党と王党派の論戦に始まる。

そして更に重要なことは、海外の中国人の特徴は、つまり当地の社会に溶け込もうとしないことで、やはりずっと「中国人」の身分を自任しており、これはなぜ当時の革命党が海外の中国人のの中にあり、(受け入れ)場所を持っていて、一例としてその後抗日戦が勃発すると、シンガポールの陳嘉庚は、中国人の身分として、積極的に抗日戦を参加し、後にシンガポールが陥落すると、日本人がシンガポールから中国人を排除し、当時「粛清運動」と呼ばれ、実際当時の民国の法律では、シンガポールの中国人は中国人であった。

ここで明確にしたい点は、汪兆銘をリーダーする刺客団体の彼らの最初の刺殺目標は、摂政王載灃ではなく、慶親王奕劻であり、ただし、実地調査すると、慶親王は厳重に警備され、根本的に手を下せなかった。そこで、当時の満族清帝国皇族に二人の寵児、載洵、載濤に、目標を変更し、そして、実地調査の後、この二人の外出は、前触れと取り巻きで、人が多く、根本的に認識できなかったので、もう一度目標を変更しなければならず、ターゲットは溥儀の父親である、摂政王載灃に定めた。

摂政王載灃と香港総督卜力の撮影

なぜ最終的に載灃をターゲットにしたのか。それは、載灃は当時、頻繁に紫禁城に行き、しかも毎回道はある小橋を通っていたので、当時暗殺班は、橋の下に埋めた爆薬で、載灃の輿が橋を通る時に、信管を引いて、載灃を空へぶっ飛ばすということで話がまとまった。

そこで、汪兆銘は仲間たちと共に、爆薬、信管、電信線などを、準備し、1910年2月21日の夜、彼らはあの小橋の下に潜り込んで、爆薬を埋めたが、通信電線が大変短い事が見つかり、如何ともすることなく取りやめた。

二日目の夜、彼らは再び補充の電線を持ち、橋の下に潜り込んで線を繋いだが、しかし線を繋いでいる時に、清政府の警察によって発見され、その緊急事態に汪兆銘、黄復生、喻培倫の三人は日本語を使って互いに「逃げろ」と知らせて、幸いに、全員が逃げ切るのに、間に合った。

しかしこの清国政府の警察もろくでなしではなく、彼はこの不信の出来事を見破り、真面目に対処した結果、報告して、人を呼び、橋の下から幕薬を掘り出した。

すぐさま、首都圏の新聞、雑誌、ゴシップは満州族皇室内の内紛で、皇室のある人が摂政王を殺害しようとしていると、すぐさま伝えたが、その時汪兆銘らの人はまだ京内に居て、彼らの一人がこの新聞を見て、清政府は革命党を疑っておらず、反対に清朝内の内紛を疑っていると認めてたので、汪兆銘らはしばらく安全だと考え、適時に京城から逃げることなかったが、警察は蔓を手繰って瓜(うり)を探るように、とても素早く彼らの身上を模索(もさく)し、その結果、汪兆銘、黄復生、羅世勲等の人が捕らえられた。陳璧君、喻培倫等の人は早めに撤退したので、幸いに難を逃れた。

ここで注意すべき点は、北京のメディアが放出した「皇族内紛」のニュースは、いったい本当の噂であったのか、やはり清国政府が故意に放出した出来合いの「風説」であったのか、その目的はやはり暗殺者を捕えて、逮捕を手配するために、有能な文章であったのかもしれない。

汪兆銘はつまるところ文系の学生で、もし彼らが事前に小橋の下に入り、慎重に長さを測り、十分な長さの電線を準備したら、後々彼も逮捕されることなく、暗殺行動も斉花押したかもしれないが、我々は「何でも事前に準備をすれば成功し、準備をしなければ失敗する」というが、この話は真理で、我々は普段事実を行うのに、やはり工学系の発想が必要で、俗話に「秀才(公立校の合格者)の反逆は三年で失敗する」というが、これは文系学生が、着手能力に劣るという事であろう。

それで、ある汪兆銘が逮捕されてから、清国政府はどうして彼を殺さなかったのであろうか。これも大変意味ある話題である。

これについては、細かく人に知られていないが、当時満族の肅親王善耆は、彼の宮家に、程家檉という名の家庭教師が居て、この程家檉の正体は、革命党であったが、肅親王は知っていたのであろうか。彼は知らなかったのである。

それで、程家檉は肅親王の邸宅で、常に肅親王の仕事をこなしたが、彼は、死を恐れない革命党の多くは、殺せば殺すほど増えると言ったが、信じられないのならば、私があなたに統計すれば、過去のこの十数年で殺すほど増えていないだろうか。

肅親王善耆、後の川島芳子の父親

確かに、数字はこのように明らかに示している。それで、肅親王は、汪兆銘を殺す代わりに、汪兆銘の投降を呼びかけたら、どうするであろう。汪兆銘は一般人ではなく、彼は革命党のトップリーダーの一人で、一旦汪兆銘の投降の招きに成功すれば、革命党に対する大変強い規範効果(デモンストレーション)となる。

実際古代の匪賊(ひぞく)討伐では、ずっとこの方法が行われた。討滅できれば討滅し、討滅するほど増える時は、すぐさま作略を変更した。一個の大型の土着匪賊と投降させるには大匪賊に小匪賊たちに解散し帰国することを勧告させた。

そこで、肅親王は頻りに監獄へ行き、汪兆銘に、降伏を試みるよう説得したが、そのことも束の間(つかのま)で、武昌蜂起が勃発し、清国政府は民心を鎮静化するために、監獄の革命党の釈放を宣布したので、汪兆銘はこのため、自由を回復した。

では、なぜ汪兆銘は、どうして日本に亡命したのであろうか。

これに言及するには、一つ、忘れられていたことがあり、それは1938年の国民党の体制改革である。1938年以前には、国民党は「委員会」で、簡単に言えば「集団指導」で、少なくとも形式上はこのようであったが、ただし1938年3月には、蒋介石は国民党体制の改革の進行を主導し、「委員会」を「総裁制」に改め、蒋介石は総裁を務め、汪兆銘は副総裁に任ぜられたが、蒋介石の権利は大きくなり、汪兆銘の権利は小さくなり、汪兆銘がこの改革に対して彼が不満を抱いていたことは、間違えなく、汪兆銘が日本に亡命したのも、この事件と関係があったのであろう。1939年9月28日、汪兆銘が敵国に投じた後、上海で国民党第六回大会が招聘され、議事日程の第一は、国民党の「総裁制」を排除し、「委員制」を回復することで、汪兆銘がこの事件に気にかけていたことも、窺える。

このほか、1938年に、汪兆銘は根本的にアメリカ軍が参戦するとは考えていなかった。それで、汪兆銘の日本への亡命は、つまり、一方で国民党内の権利闘争への不満、別の一方で、戦争に対する見通しと国際情勢の誤った判断であった。

実際、興味深いことは、汪兆銘は元々投降派ではなく、嘗ては主戦派であり、1932年の初め、当時「行政院長」の職務であった汪兆銘は北京に行きし、張学良に長城沿線で、日本を打撃するために出兵する要請をしたが、張学良は行動しなかった。。張学良はどうしてやらなかったのか？その時、張学良は汪兆銘に言った事は:「君達は南京の政治家のメンツを立てるために、君は私の兄弟を死に送りたいか？私はやらないである。」。

汪兆銘は自分が行政院長であるのに、局勢を掌握できず、カットして、辞職してフランスに渡ったが。1937年に中国への侵略戦争が徹底勃発すると、淞沪会戦(第二次上海事変)、武漢会戦等を通して、汪兆銘は日本と中国の軍事力の格差を目の当たりにして、その結果、彼の考え方が変更し、中国は日本に勝てないと確信し初め、それで彼は「抵抗戦争は必ず滅びる」と信じた。

汪兆銘は、日本に亡命して、社会に対してこう解釈した。蒋介石、陳誠、白崇禧の流派は「人民の生死を顧みず、抗日戦を高揚」し、「罵倒を願わずむしろ亡国を願う」、「えせ君子」であったのが、汪兆銘は「亡国を願わずむしろ罵倒を願い」、「百姓人民の苦境を願わず」で、彼は「勇敢に立ち上がり」「平和運動を展開」したので、話は聞こえがよかった。

汪兆銘はなぜそんなに大きな間違いを犯したのですか。理由は、日本は強いが弱点があるからである。資源不足、財政の制約、人的・物的資源の不足。中国は弱いが、地域、人、抵抗の余地が大きいという利点もある。

更に、1937年8月と12月の二つの最高防衛会議で、殆どの将軍が抵抗の継続を主張しなかったという事実は、これらの将軍が抗日戦争に参加するのは「不本意」だと誤解し、重慶から逃れる前に、彼は多くの将軍と密かに会い、特に汪兆銘との良好な関係を持つ龍雲、張発奎、そして、彼らが密かに会った。彼らは当面に拒否した事ができない、唯一のノノノのパフォーマンスのみにした。汪兆銘は、彼が立ち上がって「平和運動」と叫ぶ限り、これらの将軍は立ち上がって対応し、南京に来ると信じていたが。しかし、その後の状況は明らかに、汪兆銘はこの時点で再び間違っていることを示した。

汪兆銘は「自分を知らない」だけでなく、「相手も知らない」であり、当時の日本の状況についても誤った判断を下した。当時、日本の国内政治メカニズムは既に失敗していた。日本政府は軍隊を抑圧できなかったので、当時は多くの奇妙なことが起こりました:日本の首相は、汪兆銘との約束し、軍部は従いませんでした。逆に同じで、日本軍部は汪兆銘の件を約束したが、日本政府も妨害し、それを認めることを拒否した。汪兆銘が南京に到着した後、彼は次第に彼が奇妙な泥沼(どろぬま)に陥っていることに気づきました。その時は既にご飯が炊き上がっており、虎に乗るのは難しかった。

野史は、汪兆銘の南京政府の樹立は、蒋介石と「双葦説」を唱えるためであった。つまり、蒋介石は重慶に滞在して日本への抵抗を主張し、黒い顔を歌ったと言っている。汪兆銘は南京に行って和睦し、赤い顔を歌った。所謂「君為其易，我為其難（君は簡単で尽くし、私は彼らのために難しいことを立ち上がる）」と説があった。どう思うだろうか、この説は本当ですか。コメントを待っている。

注:汪兆銘の側近である周仏海は、汪兆銘と日本が署名した『日中基本関係条約』は中国にとって「有利」だと述べた。蒋介石が抵抗戦争に勝利すれば、『日中基本関係』は自然に廃止され、蒋介石が抵抗戦争に負けた場合、『日中基本関係条約』は、日本の占領地の行動を制限することができる。

周仏海のこの説明は、それが確立することができますか。？

実際は「避重就軽(重要なことを避けて二次的なことを取り上げる。きついことを避けて楽なことをする。)」という表現であり、前述のように、日本に降伏したの汪兆銘の一連の行動は、それ自体が日本を助け、抵抗戦争の困難を悪化させた。実際、汪兆銘が日本に降伏した後、確かに垂範効果をもたらしました。全国の抵抗軍は南京に亡命し、敵に加わりました。そのような人々が沢山います、葉蓬、劉郁芬、孫良誠など、沢山の名前があります。