世界で一番薄い陶器はどんなものですか。
土から出て来た卵の殻のように薄いものは、世界の陶芸史上最高の作と称賛された。高さ15〜20センチメートル余り、平均の厚さは0.3〜0.5ミリメートルで、最も薄い所は0.2ミリメートルであり、重量は数10グラムである。薄さは卵(蛋子)の殻のようなので、「蛋殻陶」と呼ばれている。
蛋殻陶は「化粧っけがなく」、所々簡単な透かし模様があるだけだが、陶質はきめ細やかで、表面は光沢があり、弾くと金属音がする。人々は「黒きこと漆如く、光が透け、紙のように薄く、磁器のように固く、手にすればなきが如くで、弾けばチンチント言う音がする。」と形容している。
臨沂市博物館の収蔵品
軽くて薄い「スタイル」の蛋殻陶は世界で最薄の陶器である。その出現は先史時代に古代人の製陶技術が最高峰に達していたことを表している。
四つの「奇跡」によってそれは龍山文化の「小隊長」となった。
山東の龍山文化は広く黄河下流地域を指しており、新石器時代晩期の文化である。測算すればその年代は今から4,600年〜4000年前である。
蛋殻陶の主要遺址
龍山文化の陶器のうち、黒陶が最も代表的なものであり、蛋殻陶は0.2ミリメートルの極限の工芸であり、小隊長の位置を占有している。
測定検査では、蛋殻陶にはかなりの数量の炭素粒子が含有され、しかもその形成方法は、現在の炭素繊維に似た部分がある。多くの蛋殻陶には細かな同心円の轆轤痕跡が残り、製作時に高速轆轤を使用したことを物語っている。
このため専門家は蛋殻陶を製作する回転轆轤は、世界最初で、最も精密な手工芸器械であると考える専門家がある。
極薄の陶胎:
現在の陶器の製造技術では、厚さ0.2〜0.5ミリメートルの陶生地は、ほぼ不可能であるが、4,000年前の人間にはやり遂げられている。
極めて低い吸水率:
度重なる測定検査は、蛋殻陶の吸水率は約0.0014であり、液体を保存できることを意味する。
絶滅した黒科技(ブラックテクノロジー)は現代人には完全復活はできない。
専門家は大量の模擬実験を経て、蛋殻陶の「製法の秘密」を推測した。総括すれば、段どりは複雑で、技術は見事、歴史は長いと言える。
龍山文化の末期になると、蛋殻陶は次第に衰退消失した。
現代人にとって蛋殻陶の破片を修復することは簡単ではないが、完全に「復刻」することは更に容易ではない。
素朴な材質であるが、最高の工芸技術と出会っている。4,000年前の蛋殻陶は、まるで土中から生まれ出た生命のように、中華文明から生まれた古くから長く続いている製陶文化を育み(はぐくむ)、土と火とが書き残した中国の珍伝である。
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