漢字初の解釈:網
「網」は象形文字である。甲骨文の「網」 、 、 字は多くの書き方がある。
一つ目の書き方は二本の棒を支えとして、内側の「XX 」の記号は、縄を交差に編んだ網であり、魚を捕り、陸上でも鳥獣などの野生動物を捕獲するのに用いた。
第二の書き方は外枠を「冂(覆いを表す)」のように書いて、内側の「XX」記号は、網の交差したような模様であり、下部には両手があり、手に網を持ち漁猟することを意味する。
第三の書き方の上部は、網であり網の下には、両手を添えている。この字は鳥を捕える網であり、鳥が網を覆った範囲に飛び込むと、近くに潜んでいた鳥捕りが手に持った網を吊っていたロープを素早く引くと、網が落ちてきて鳥を網で捕まえることである。
金文 、 は甲骨文の字形を継承しているが、支える棒は直線から円弧に変形している。
小篆 、 、 は「冂に従い、XXに従い」、金文の中の両手を省略している。
隷書 、 は小篆のもう一つの字形を継承している。つまり「網」の中は「亡」を加えて音を表して、転注文字となっている。また左に「糸」を加えて、「網」が「絲(糸)」 で編まれていることを表して、筆画は次第に増加して繁雑になり、「網」と書いた。
「網」字の本義は、縄紐で編んだ漁撈用具である。『説文解字』には、「網は、庖犧結縄して以て漁する所。冂に従い、下は網交の文に象る。(つまり『網』は庖犧氏が発明したものということ)」と解釈している。「網」は、漁撈(ぎょろう)の用具であり、(現代中国語では)網のようなものの意味にも発展している。例えば、「蜘蛛の網、バレーボールのネット、網袋」などである。
「網」はまた縦横に交錯する、網のような組織構造の意味にも発展している。例えば「交通網、灌漑網、情報網、関係網(コネクション)、互連網(インターネット)、物連網(コビキタスネットワーク)」などである。
「網」は捕捉を表す動詞でもある。更に「募集」や「捜索」の意味に発展している。司馬遷の『任少卿に報ゆる書』に、「天下に放出された旧聞を網羅する。(昔に喪失した天下の古い伝聞を捜索収集する)」。
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