登州・題春雪
一夜東風勝北風,鵝毛飛乱满長空。
梨花樹上白加白,桃杏枝頭紅不紅。
鶯問幾十能出谷,燕愁何日化泥营。
寒氷鎖住轍千架,路阻行人去不通。
一夜東風 北風に勝る,鵝毛 飛乱 長空に満つ。
梨花樹上 白に白を加え,桃杏枝頭 紅にして紅ならず。
寒氷は轍千架を鎖住し,路は行人の去るを阻みて通ぜず。
*ある夜風向きが変わって、東風が北風を追いやり、ぼたん雪が満天に舞飛んだ。
梨の枝も雪で真っ白となり、桃や杏の木も赤くない花(わた雪)が咲き乱れた。
(一見春かとみまごう景色に)、何十匹の鶯が谷を出ようかと語り合い、燕はいつ頃巣作りを始めようかと悩むのであった。
だが大雪は氷となって、千台の車を通す大路も閉じこめてしまって、通行人をも阻むのであった。
明 日本無名詩人
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