漢字初の解釈:皆
「皆」は会意文字である。
甲骨文の「皆」 、、 は多くの異なる書き方があり、あるものは上下の構造で上部は、虍の部首で、虎の頭を象り、下部は「歹」(単独あるいは二列でも意味は同じ)、骸骨を象り、両方合わせて人体の肉が虎にすっかり食べ尽くされて、骨だけが残されている事を表す。あるいは上中下の構造であり、これは先述の字形の下部に「口」を増加して、人体の生肉がすうっ辛い虎の大口の餌食となったことを強調している。
周代中期の金文の「皆」 字は、上部は同方向を向いた人であり、下部は「曰」に似た目標記号(一説に二人が談話中)であり、二人が同一目標に向かって行進(一説は二人の言行一致)することを表す。
春秋時代の「皆」 は基本的に甲骨文の字形を継続しているが、中間の「歹」は「人」に変わっている。
小篆の「皆」字は周代中期の字形を継承すると同時に、上部(ヌ)二人の「人」は二個の「匕=比)となり、下部の「曰」に似た記号は「白」に変化し、甲骨文の「皆」字にあった本来の意味とは完全に異なった記号文字となった。
隷書 、 は「比に従い曰に従い」、楷書は小篆の形体を継続し「比に従い白に従う」形の「皆」となっている。
「皆」の本義は総て、全くである。『論語・顔渊』に、「人は皆兄弟(けいてい)有り。我独り亡(な)し。」唐の柳宗元の「黄渓に遊ぶ記』に、「是より又た南のかた数里、地は皆な一状なり。」。
『説文解字』:「皆、俱詞也」(これは小篆の字形の意味であり、甲骨文にあった本来の意味とは異なる。)。
「皆」もまた俱(とも)に、一同を表す。『尚書・湯誓』に「予及び汝 皆な亡ぶ」。
「皆」はまた普遍を指す。『詩経・周頌・豊年』。に「福を降すこと孔(はなは)た皆(あまね)し。」
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