2,000年以上前の鏡は、これほど大きかったのか。
「銅を以て鏡を為り、以て衣冠を正すべし」〜
古代には、銅鏡は一般的な生活用具であった。三つの見所で、現在中国で出土した面積最大で、一番重い銅鏡の、前漢矩形五紐龍紋銅鏡を紹介したい。
厚さ1.2センチメートル、重さ56.5にキログラムである。それは薄く重く、「中国第一の銅鏡」と言える。
もし古代中国の銅鏡に「モデルコンテスト」が有れば、前漢矩形五紐龍紋銅鏡は、「四大優勝キーワード」によって、王者級の存在となる。
優勝キーワードの一1は「方形」で
円形が主流となる銅鏡世界で、正に頭角を現している「角のある」四角形である。
優勝キーワードの2は「大きさ」で
縦115.1センチメートル、幅57.5センチメートルで、その他の銅鏡を「圧倒」する美しさで、銅鏡界の「目立ちたがり屋」である。
優勝キーワードの3は「重さ」で
56.5キログラムの「重量」で、満水のガロンボトル(18.9リットル)3本分の重さに近く、中国で発掘された青銅器の中でも最も重いものも一つである。
優勝キーワードの4は「薄さ」で
この銅鏡の大きさと重量からは、「分厚い」の一言が免れない。しかし実際には1.2センチメートルの厚さで、「体形纖殲」というべきである。
前漢矩形五紐龍紋銅鏡は、これまでに中国で出土した面積最大で、最重量の銅鏡であり、「中華第一銅鏡」の称に相応しい。
美しく実用的な銅鏡:解説は私。
銅鏡の背面には、1ミリほど突起した龍紋の図案が浮き彫りとなっております、龍身は屈曲し、大口を開け舌を出し、シルエットは生き生きとして自然で流暢である。
龍紋は戦国中晩期から前漢初期に流行した紋様で、銅鏡を鋳造した職人は「適形適作」で、龍紋は銅鏡の「長方形の躯体」に相互効果をもたらして、適当に伸ばされた。
銅鏡の背面には、長さ5センチメートル、幅3.5センチメートル、高さ3.2センチメートルの、輪っかの取手がある。研究によれば、この取手はあるいは大きな銅鏡と支える台座と支柱を固定する設計となっているという。現在の機械工具の助けがなくては、このような複雑で精巧な銅鏡は、その製作の難しさを推して知るべきである。
「姿見」か「掛け鏡」か、この超大型の銅鏡はいったい何に使ったのであろうか。
中国は世界的にも銅鏡を最初に使用している。漢代には、銅鏡の生産量が増加し、装飾、反射、魔よけ、賞与、証拠、結納などに使用して、一般家庭にも「映す」ことが入り込んだ。
過去に出土した銅鏡の多くは、卓上に置いたり手に持つ、小型で精巧なスタイルであった。一方の前漢矩形五紐龍紋銅鏡は、重量が100斤(50キログラム)余りの「嵩張るもの」で、人間の使用には不便なのに、一体この銅鏡は何に使うものであろう。
推測1:着鏡
1メートル以上もある鏡は、ほぼ全身を映すことができる。そのため、現代の着鏡と同様に、着鏡として使われていたのではないかと推測する人もいます。
推測2:身分象徴
銅鏡は、斉王墓の第五の陪葬坑から出土した。そのため、この銅鏡は実用的な用途がなく、墓主の身分や地位を象徴するものであったのではないかと推測する人もいます。
推測3:辟邪鏡
銅鏡の裏面には五つの紐があり、紐を通して吊るすことができる。そのため、忠者と悪人を見分けて、鬼神を追い払う「懸鏡」であったのではないかと推測する人もいます。
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