漢字初の解釈:賓
「賓」は会意文字である。
甲骨文の「賓」 、 、 字には多くの異なる書き方があり、初めに文字の上部の符号は住居 を表し、部屋には二人の人間が居り、左は成年男子 で、右は女性 であり、下部は「止(足跡)」 であり、全部で男性が部屋に入り女性に面会することを表している。
その他の字形 、 では上部が「建物」 、下部は「止」 のままで、同じでないのは、部屋の中に女子だけであったり、男子だけであったりしていることである。遥か昔、成人女子だけが専用の部屋を持っており、男性はその女性の所へ「客」となった(通い婚に類似している)が、この男子が即ち「賓」である。
金文の「賓」 、 、 、 、「女」と「止」を省略して、部屋の中は成年男子と貝(財宝)となり、当時の社会が既に王権父系の社会に突入しており、男女の結びつきと財宝は重要な条件となっていた。春秋時代の「賓」は「宀」と「月(肉)」、「貝」との構成である。(一説に、主人が家中で客人の訪問を接待したが、客人は手ぶらというわけにもいかず、贈り物を持ってきたという。)。
小篆 、 、 は金文の字形を継続しており、隷書化以後楷書は「賓」と書いた。
「賓」の本義は賓客である。『玉篇』に、「賓は、客なり」。『荀子・礼論』に「賓出て、主人拝送す。」
「賓」はホストとゲストの関係から展開して服従、基準を表す。『国語・楚語』に「其の賓ならざるや久し」。
「賓」と「客」は意味は区別されている。「賓」も「客」も「ゲスト」の意味がある。「賓」の本義は貴賓を指して、「客」の本義は「主」に対して、訪問する人或いは招待を受けた人であり、また「居候」「寄食者」をも指す。
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