漢字の初の解釈: 朋
「朋」は象形文字である。
甲骨文の「朋」 は2串(くし)の貝(または玉)鎖 が 一緒になってなっている様子である。古代においては貝は一種の貨幣であり、「朋」は古代の貨幣単位でもあり、5串を1串(繋)とし2串 を1「朋」とした。
『詩経・小雅・菁々者莪(セイセイシャガ)』に「既に君子に見(あえ)ば、我に百朋を賜う。」(百朋=千貝を給えと言う意味)。殷商時代の「朋」 字の、上部は「丌」形であり、 横線が両端を貫き(つらぬく)、下部は「貝(或いは玉)」 が左右に分かれている。周代早期の「朋」 字は甲骨文の字形を継承している。
篆書の「朋」 字は、翼を広げて飛翔する大鳥を象っている。『説文解字』に「朋は、古文の鳳。象形。鳳飛びて群鳥従うことを以て数う。故に以て朋党と為す。」この解釈と甲骨文の「朋」字の本義とは矛盾している。
隷書の「朋」 字は2「月(肉)」 に従うが、「肉」は人間の身体を指し、両「肉」が並列する形は、身体と身体の密着を表し、二人が寄り添い朋友となる意味である。楷書はこれにより「朋」と書いている。
「朋」の古義は古代の貨幣の単位である。(一説に、2貝を1朋とあり、また5貝を1朋とする。通行している考察は5貝を1串とし、2串を1朋とする。)
「朋」は延伸して「朋友」を指す。『論語・学問』に「朋遠方より来たる有り、亦た楽しからずや」。
「朋」は古来徒党を組んで私利私欲を謀り、相互に結託(けったく)することである。例えば「朋党(徒党を組む)、朋比(私党を結成する)、朋謀、朋徒、朋頭」である。
「朋」も比例、匹敵を表す。『詩経・椒柳』に「碩大にして朋無し(大きすぎて比較できない)」。
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