漢字初の解釈:舊(旧)
甲骨文の「舊(旧)」 字には二種の異なった書き方がある。一つの書き方 は「隹」(「隹」は短い尾の鳥または短い尾の鳥の総称)であり、その下にあるのは鳥の巣の記号である。もう一つの上部は「雈」 であり、「雈(きゅう)」は記号のついた象形文字で、一種の鳥名であり、鷂鷹(みみずく、ヨウオウ)また鴟鴞(ふくろう、シキョウ) ともいう。頭が大きく、嘴が太く短く鈎型であり、頭部の正面の羽毛は円盤状に生え揃う。甲骨文の上部 に角二本があるのは、この鳥の耳のように羽毛である。顔面と耳羽と顔の前面の二つの目が、猫の顔面にそっくりなので、猫頭鷹と呼ばれており、下部の「凵」 記号は鳥の巣穴である。
古代の、先祖はこういう猛獣は、巣を石臼のようで砂場を好むと信じていて、毎年継続的に使用するので、このような鳥の巣(古巣)を「老巣」と呼びまた「旧巣」と言ったので、「舊(旧)」字の意味は「旧巣」から来ている。
金文 、 、 は甲骨文の第二種の文字の形を継承し、上部は「雈」 と書き、下部の「凵」 に似た記号は「臼」 に改められた。小篆 は金文の形を継承し、隷書化以後楷書では「舊」 と書く(日本では旧)。
「舊(旧)」の甲骨文の「舊」は地面の窪み(凵)に生息する冠毛のある鴛鴦を表している。杜甫の詩に「泥融けて 燕子飛び、沙暖かにして鴛鴦睡る。」がある。言っていることは、春が来てツバメは泥を啄ん(ついばむ)で軒下に巣を作り、鴛鴦(オシドリ)は営巣しないが川辺の崖の洞穴を巣とするので、「窠(窠)」という。金文の「舊」は甲骨文の冠毛の を を書き、甲骨文の洞穴「凵」 を「臼」 と書いた。篆書の 「舊」は金文の字形を継承している。楷書の「旧」 は草書の字形により、隷書の「舊」の中の「臼」 を簡単に「旧」とした。簡略化された楷書の「旧」は旧字の鳥を表す「雈(隹)」 と、巣を表す「凵」を省略して、抽象的な意味を表している。「舊」字の甲骨文の古い意味は鳥の巣がある土壁が洞穴にあった。周代から「元来有るもの、本来の、昔の」などと形容するようになった。
このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。